クローン病と脂肪30g

クローン病の食事制限」という記事中にも書きましたが、最近この脂肪30g制限というのについて考えを改めています。この数値を聞いたか読んだかしたのはずいぶん前のことだと思いますが、たいていの本には書いてあるんじゃないでしょうか、“クローン病では1日の脂肪摂取量が30gを超えると再燃率が高くなることが明らかになっている”…と。

私は特にそうなんですが、数値というものに人は縛られやすいです。制限として明確なのでOK/NGもはっきりしますから分かりやすいというのもあります。だから、計算してみて「ああ、これを食べてしまったから今日は30gを超えてしまっている…」などと一喜一憂してしまっていました。

ある日思ったんです。でも、これってどんな研究のデータなんだろう?って…(一応理系ですから(笑))。上記のような記述はあるものの、どんな実験や研究の結果なのか等の背景はどこにも書いてませんでした。インターネットで検索するというのが普通になっていた頃だったので、グーグルで検索してみたんです。でも、それらしいものを見つけられませんでした。医療関係者でもないので論文検索のようなことはできませんでしたし。

さらに何年か後に検索したときには、研究そのものではありませんでしたがその子引きが載っているプレゼンテーションが見つかりました(どこかにメモしたはずなのですが散逸してて今ハッキリしません)。そこには、追跡調査のようなことを行って1日の脂肪摂取量と再燃率をグラフ化したものが載ってました。

私がちょっとショックだったのは、その研究が「ほんの100人ほどの人数」で「1年間ていど」で行われていたことでした。その実験における“再燃”の定義も載ってたと思いますが忘れてしまいました。とにかく、私はもっとしっかりした研究データでもって30gという数値が出ているものだとばかり思っていたのですよ。より患者数の多いアメリカとかの研究なのかと…。だから結構ショックでした。この程度の研究結果で(失礼な言い方で申し訳ありませんが)30gという数値だけが一人歩きしてるような気がしたんです。※だれか正確なデータのありかをご存知でしたら教えてください。

さっき一喜一憂と書きましたが、「10g脂肪を多く摂ること」よりもその「一憂」のほうがよっぽどクローン病に悪影響があるような気がしています。もちろん脂肪を多く摂るのがよくないのは明らかです(何よりも私の場合、摂り過ぎるとそのまま下から出てきます…苦笑)。ですが、30gという制限は根拠のあまりないものだと思って無視することにしました。それよりもむしろ体の声を聴くことをもっと重視しようと思いました。自分はどちらかと言えば理屈が好きで、体の声を軽視するところがあるので…。

つらつら書きましたが、これはあくまでも私の判断です。当時検索した結果も手元に無くあなたに示せてませんし、あくまでも御自分での判断をお願いします。(ちなみに私自身は現状、結果的には1日30g以下になってることも多いと思われます)

(2009.6.12 文責:しんご)