4.『潰瘍性大腸炎とクローン病』

著者は多田正大氏(多田消化器クリニック)。初版は1999年10月。既に10年以上経ってしまいました。

大きな構成としておおよそのページ数で書くと…
1章「原因−原因不明の病気といわれているが?」10ページ、2章「病態−病気を正しく理解するために」30ページ、3章「診断−正しい診断を受けるために」25ページ、4章「確定診断がついたあとの手続き−特定疾患医療給付制度について」3ページ、5章「薬物療法−薬の正しい服用の仕方と副作用」25ページ、6章「食事と栄養療法−適切な食事制限のために」30ページ、7章「外科治療−できれば避けたい外科手術」10ページ、8章「心理療法−精神面のサポートが大切」30ページ、9章「妊娠と出産−元気な赤ちゃんが欲しい」10ページ、10章「明日に向かって−上手なIBD学習の仕方」15ページという感じになっています。

30年間IBDに携ってきた先生が、患者さんにできるだけわかりやすく説明しようとしてるのがよくわかります。病気の原因がどんな風に研究されてきたか?とか、診断、検査、手術、薬についても非常に具体的に書かれています。当時、非常にためになりました。

特にこの本では、先生が出会った様々な患者さんをあげながら、心理面でのこと、「病は気から」といったことにも言及している点がよかったです。自分の周りに同様の患者さんなど全くいなかったですから。入院してみて、はじめて数人と出会ったていど。
こういった“患者さんの体験”に関しては、この本の続編となる「続 潰瘍性大腸炎クローン病 IBD患者の体験談をもとに」という本でさらに詳しく書かれることになります。

堅い文体の本は疲れるし落ち込むので読みたくない…といった人にはオススメの本なのですが、なにぶん古いのでAmazonでも買えないようです(古本なら買えます)。まずはお近くの図書館で探してはどうでしょうか。

潰瘍性大腸炎とクローン病

潰瘍性大腸炎とクローン病